そのお店は、三ツ境駅北口を出てから希望ヶ丘方面に歩いて数分の場所にあります。
「cafe祐珈里」
勝手な想像では、ロマンスグレーの髪色をした「ゆかりママ」が、カウンターで常連の悩みを聞きながらゆったりとコーヒーを入れているようなイメージ。
昔なつかし「KEY COFFEE」の鍵マークを見てグッとくるのは、決して全世代共通では無いでしょう。一方で、全世代がみんな「おいしい!」と思うものがここにはあるような気がしていました。
扉の脇に「喫煙できます」の文字が見えます。私は非喫煙者ですが、このお店が気になって仕方がありません。
しばらく気になってはいるが入れない時期を経て、思い切ってある日その扉を開けたのでした。
ついに「cafe祐珈里」の扉をOPEN!
そこには男性のマスターがいました。
マスターはテーブル席もすすめてくれましたが、ここはあえてカウンター席に座らせてもらいました。
店内は木の温もりがある、山小屋のような雰囲気。
お客さんが多く写真には収められませんでしたが、2階に繋がるらせんの階段、「商売繁盛」のおまもり、長年使い込まれているであろう冷蔵庫やコーヒーメーカーがあり、少し高めの位置にあるテレビでは古い映画が流れていました。
お店の端からほどよい音量でFMも聴こえてきます。
珈琲付き日替わりランチは3種類
昔祖母の家の近くにあった喫茶店を思い出していると、マスターがお水を持ってきてくれました。
日替わりランチは、Aチキンドリア、B鍋焼うどん、C肉と野菜の炒定食の3つから選ぶことができます。
ランチには全てコーヒーがついて、税込1,000円です。
A、B、C全てテイストが異なり私を悩ませましたが、チキンドリアにしました。
謎の洋画を見ながら待っていると、やがてケチャップのいい匂いがしてきてチキンドリアが運ばれて来ました。
とてもおいしそうです!お箸をつけてくれるのもうれしい。
贅沢にもチキンライスの上にはマカロニ入りのホワイトソースがかかり、チーズがバーナーで炙られています。
食べてみると、とてもとてもおいしいです!!
少しだけできたおこげが香ばしく、ケチャップの酸味は控えめで、ライス全体をバターのコクがつつみ、チキンもふわふわ、ちゃんとケチャップの味がついていて、おいしい!
お味噌汁はまた落ち着いた味わいです。チキンドリアにお味噌汁という家庭的なランチ好きだなあ、と心の中で絶賛しながら食べ進めました。
気になる店名の由来は?
そうこうしているうちにも、続々とお客さんが入ってきます。
もちろん全員ではありませんが常連さんが多いようで、マスターと気さくに挨拶したりお話されている姿がありました。
そしてこのマスター、なんとお一人で切り盛りされているようです。
お忙しい中、どうしても気になる質問にひとつだけ答えていただきました。
「ゆかりさん、、ですか?」
焦って変な聞き方をしてしまいました。店名の由来を聞きたかったのです。
「アハハ!そう、僕がユカリですよ!」
マスターが冗談ぽく笑って答えてくれます。えええ!と驚いていると、
「あれはユーカリと読むんです。ユーカリって火とかに強い、そういうところがいいなと思って。当て字をしてお店の名前にしました。妻の名前の漢字も入ってるんですよ。」
なんとステキな由来なのでしょうか。
定休日も無く(不定休)ずっと1人で46年切り盛りされているとのことで、またさらにびっくり。
マスターは「ずっとやってるからもう慣れっこですよ、ふふ」と笑ってお話してくれました。
日々大変なことがあったり、いいことがあったりする中で、いつ来てもマスターが迎えてくれて、おいしいご飯がある、たくさんの人がこのお店を好きになってしまう理由が少しだけわかったような気がします。
最後にコーヒーをいただきました。
この器もとてもステキです。
コーヒー用と思われる器がたくさん、カウンター脇のカゴに収まっていて、あれもかわいい、これもかわいい、と待っている間にながめては1人で盛り上がっていました。
おいしいご飯を食べておいしいコーヒーで締めて、その日はお店をあとにしました。
振り返ると入る時には見逃していた黒板にこんな一言があり、またグッときてしまいました。
今度はクリームソーダが飲みたいです。
三ツ境近辺でランチを考えている人にぜひ行ってみて欲しいです。
cafe祐珈里
住所:神奈川県横浜市旭区東希望ヶ丘242−1 グリーンコーポ三ツ境
アクセス:相鉄本線「三ツ境駅」から徒歩約3分
営業時間:11:00〜21:00
TEL:045-364-4784
定休日:不定休