三ツ境にある「長屋門公園」で、たまには時間を忘れてゆっくりしよう

相鉄線三ツ境駅から徒歩18分、神奈中バスで6分(最寄りバス停から徒歩5分)ほどの場所に、三ツ境地区で有名な公園があります。

周辺は何度も通ったことがあるのですが、中に入るのは初めてです。

自転車で「長屋門公園」に向かうと、入り口に看板がありました。

長屋門公園は、大きく分けて「歴史体験ゾーン」と「自然観察ゾーン」の二つがあります。

今日向かうのは、公園名の由来にもなっている「長屋門」がある「歴史体験ゾーン」。

長屋門公園は、3.5ヘクタール(公式ホームページより)の広さを誇る公園です。

現在地からはまだ距離がありそうだ、と思いつつ新緑の中をサイクリングしていると、とても気持ちの良い場所に出ました。

木漏れ日にあたると、いつの間にか気持ちがほどけていきます。気持ちいい!さらに自転車で進んでいくと、あっという間に長屋門が見えました。

長屋門前にある看板によると、明治24年、長屋門公園のある地域「阿久和」に製糸場ができ、大正元年まで操業を続けていました。

一時期は155人の職工の方が居たとのことで、大きな工場であったことがうかがえます。横浜市域の中でも、ここ瀬谷区は最も養蚕・製糸業が盛んだったようです。

茅葺き屋根の上でおもしろそうに泳ぐ鯉のぼり

長屋門をくぐると、たくさんの鯉のぼりがあがっていました!

優雅に並ぶいくつもの鯉のぼり。

よく見ると、鱗が手型になっている鯉のぼりがあります。
「近隣の小学校では卒業制作で手型の鯉のぼりを作ってくれるんです」
と事務所の方が教えてくださいました。

毎年増えていく鯉のぼり、こんなにたくさんの子たちが小学校を巣立っていったんだ、と子どもたちに思いを馳せながら眺めます。

卒業して何年か経ってからここに来たら、うれしいだろうなぁ。

この日はとても晴れて暑い日でしたが、心地よい風が吹いていて、本当に鯉のぼりたちが「おもしろそうにおよいでる」ように見えました。

歴史的建造物の中はどうなっている?囲炉裏やかまどは今もイベントで活躍

中心にある母屋では、季節の行事や定例の行事などがおこなわれていて地域のみなさんに親しまれています。

普段はこの母屋の中に何があるのでしょうか。

入ってみると、昔の土間のような場所があり、杵やうす、囲炉裏などが並んでいました。タイムスリップしたような気持ちになれます。

かまどや囲炉裏は今も、イベントなどで使うことがあるそうです。ホームページによると直近では、5月に柏餅作りで利用する予定とのこと。

茅葺き屋根の母屋奥にも、鯉のぼりがあると聞いて、行ってみました。

朝一でお伺いしたので人も少なく、風の音、小川のせせらぎ、風にゆれる鯉のぼりの音しかしません。

耳の能力が研ぎ澄まされるような、いつもより五感がさえてくるような気がします。

木々の緑と空の青にカラフルな鯉のぼりたちがよく似合っています。写真でもステキですが、実際に見るともっとステキな風景です。

母屋に戻り縁側に腰掛けて、また鯉のぼりを見つめます。

何も考えず、ただただ佇む日があっても良いのかもしれません。

母屋の中、向かいの穀倉、文庫蔵では、五月人形や甲冑が数多く飾られていました。こちらもこの季節にのみ見られる景色です。

私の子どもは2人とも女の子なので五月人形にはご縁がありませんが、甲冑をまとった凛々しい姿に、雛人形とはまた違った魅力を感じました。

鯉のぼりは5月19日ごろまで。行事も多く、季節を感じられる公園

鯉のぼりの掲示は、5月19日くらいまでを予定しているそうです。
19日が雨天の場合は前後することもあるそうなので、鯉のぼりを見たい方は事前に問い合わせてから行ってみると良いでしょう。

散策している途中で、先生に連れられて幼稚園児たちもやってきました。入り口から入ってくると、みんな歓声をあげています。

「おとうさんはどれかな〜」
「これが、おかあさんかな〜」

上を見上げて、おとうさん鯉のぼり、おかあさん鯉のぼりを一生懸命探す園児たち。私を含む公園中の人の目尻が下がっていたと思います。

長屋門公園では、季節の行事がたくさんおこなわれています。
行事が無い日でも、ぽっくりや竹馬など昔の遊びに触れることができ、現代の子どもたちにとって非日常が味わえるとてもステキな公園です。

今の時期は新緑と鯉のぼりが素晴らしいです。
お近くの方もそうでない人もぜひ、行ってみてください。

長屋門公園
住所:神奈川県横浜市瀬谷区阿久和東1−17
アクセス:相鉄線三ツ境駅 下車徒歩18分
TEL:045-364-7072
営業時間:09:00~17:00
定休日:施設点検のため毎月第2水曜日、第4水曜日および年末年始(12/29~1/3)は休園(祝日・行事の場合はその翌日が休園)

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。