1皿で大葉200枚!地域愛で綱島を盛り立てる「FATMAM」

“大葉”と聞くと、どんなイメージがありますか?
お刺身の下に敷いてあったり、薬味として料理に添えられていたり、いわば“名脇役”のような役割で思い浮かべるひとが多いかもしれません。

綱島には、そんな大葉が主役級の存在になっている、ダイニングバー「FATMAM」があります。昨年創業29年を迎えたお店です。

オープンで入りやすい、綱島の“秘密基地”

綱島駅の西側に位置し、駅前のにぎわいが少し落ち着いた通り沿いにテラス席を出しているのが「FATMAM」。店内の様子が外から見えるオープンなつくりです。

私が外看板のメニューを見ていたら、店主さんが「どうぞ!」と明るく声をかけて迎え入れてくれました。

店内に入ると、どことなく秘密基地のようなわくわく感があります。

お店の一角には、段ボールで作った店舗のミニチュアが飾られていました。ご家族で常連のお客さん(子ども)が作って持ってきてくれたのだとか。

家族ぐるみで愛されるお店なんだな、と感じてほっこりしました。

大葉の存在感がすごい!!インパクト抜群のメニュー

「FATMAM」のメニューは、とにかく緑です(笑)。

人気があるのは、やっぱり大葉ジェノベーゼ。なんと1皿で大葉が200枚も食べられるんです!

また、大葉のピクルスも人気だそうです。ほかにも大葉を使った調味料(しょう油、塩、マヨネーズ、こうじなど)を使った料理や、大葉を練りこんだ生地を使ったピザ、さらには大葉ラテなど、ひたすら大葉尽くしのラインアップです。

私が注文したのは「たらこパスタの時代は終わった。大葉明太子ジェノベーゼ」。独特なメニュー名につい気を取られてしまいましたが、絶品でした。

大葉ジェノベーゼは、バジルの代わりに大葉をふんだんに使った和風のパスタです。

ソースをしっかり絡めた麺を一口食べると、まず大葉の香りがふわっと口の中に広がります。癖のある香りではなく、新鮮で味が濃い野菜を食べたときに鼻に抜ける、さわやかな青さ。

大葉が苦手な方にも挑戦してほしい!と聞いたときは半信半疑だった私ですが、「たしかにこれは世界が変わるかも……」と感じました。

上にたっぷりのった千切りの大葉と一緒に食べると、また違う味わいが楽しめます。ソースのさわやかな青さに、さっぱりしたクッションが加わったような味わい。大葉にありがちな(と思っていた)渋みやえぐみが、まったくないんです。

店主さんいわく、「うちの大葉は乾燥した状態で保管するように徹底してるからね」とのこと。乾燥を保つことで、大葉の発酵によるえぐみや苦味が出にくいそうです。

大葉だけじゃない。地元を大切にする店主さんのこだわり

大葉ジェノベーゼが愛される理由は、これだけではありません。使用している生麺にも、強いこだわりが込められていました。

まず、横浜市高田町の「藤田農園」で栽培された小麦を使用していること。「研究熱心な生産者さんで、成分分析しておいしさを追求してる人なんだ」と紹介してくれたのも、地産地消にこだわる「FATMAM」ならではのアピールです。

次に、ラーメンの金型を使用して、パスタを四角く製麺していること。日本人の口になじみやすい形を追求した結果、たどり着いたそうです。
もっちりした太くて四角い生麺は、たしかに食後の満足感がしっかりありました。

また、サイドメニューとして出てくるスープやサラダにも、地元農家さんから買い取った野菜が使用されています。

この日は、和風のだしがきいたトマトスープと、みずみずしいサニーレタスやトマトのサラダでした。
地元で収穫しているからこその新鮮さがあって、本当においしかったです。

もうひとつの強い名物!綱島ソーダ・綱島サワー

食事のおともにいただいた「綱島ソーダ」は、大葉のピクルスを使ったさわやかなノンアルコールの炭酸飲料です。

大葉の香りが感じられるのはもちろん、フルーツのような甘酸っぱいピクルスのおかげで、すっきりした味わいが楽しめます。

大葉は水や砂糖で漬けると黒く変色しがちですが、このピクルスはきれいな緑色。
「よく製法とか聞かれるんですが、企業秘密です!」とにこやかに話す店主さんからは、長年大葉と向き合ってきた、たしかな自信と誇りが感じられました。

ほかに、同じように大葉ピクルスを使用した「綱島サワー」というお酒もあります。こちらは全国の飲食店へ展開もしているそうです。

「綱島の名前をもっと広めたいんだよね」と話す店主さんから、綱島への愛情が伝わってきました。

地元のつながりや愛から生まれた、あたたかい場所

お昼どきを少し過ぎた店内のテーブルには、大きなビニール袋に入った大葉がどんっと2袋置かれていました。この1袋がおよそ2kg。年間でこれを約1000袋、つまり2tほど使用すると聞いて、驚きました。

なぜ大葉で綱島を盛り上げようと思ったのかを店主さんに聞いてみると、「大葉をたくさんもらったから(笑)」との返答。地元で紡がれる縁を大切にした結果、30年近く愛され続けるお店になったのだなとわかって、心がじんわりあたたかくなりました。

「FATMAM」には地元のお客さんが多いですが、今では遠方からお越しになる方もたくさんいらっしゃるそうです。

大葉ジェノベーゼのパスタソースや大葉ピクルスは通販でも購入できますが、「FATMAM」の魅力は実際に足を運んでこそ伝わる部分も大きいです。

綱島を訪れるときはぜひ立ち寄ってほしい、むしろ「FATMAM」に行くために綱島を訪れてほしい。
そう思えるくらい、あたたかくて魅力的なお店でした。

FATMAM
住所:神奈川県横浜市港北区綱島西2丁目13-13
アクセス:東急新横浜線「新綱島駅」から徒歩約8分、東急東横線「綱島駅」西口から徒歩約5分
TEL:045-545-7701
営業時間:ランチ 11:00-15:00(L.O. 14:00)、ディナー 17:00-23:00(L.O. 22:00)
※食材がなくなり次第終了
定休日:水曜日(水曜日が祝日の場合、木曜日がお休みの場合もあり)

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。