このまるい岩からあふれだす小さな水流、何だと思われますか?
これは旭区の若葉台からはじまり、鶴ヶ峰付近から相鉄線に沿うように保土ヶ谷区、西区の市街地を通り、横浜港に流れ出る「帷子川」の水源なんです!
そして鶴ヶ峰付近の帷子川周辺には、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」にも登場している、相鉄沿線きっての歴史ヒーロー「畠山重忠」ゆかりの場所がたくさんあるんですよ。
源頼朝を慕って、「いざ鎌倉!」と埼玉の領地から鎌倉に向かう途中、鶴ヶ峰・二俣川付近で北条勢に討たれ悲劇の死を遂げた「畠山重忠」。
私も幼いころから逸話を耳にし、その勇敢さと真っすぐさに惹かれ、一番好きな武将は?と聞かれたら必ず「畠山重忠」と答えていました!
今日はそんな「畠山重忠」に思いをはせて、近所にある「帷子川水源」をたずねてみました♪
帷子川周辺にある重忠ゆかりの史跡
まずは、帷子川周辺の畠山重忠の史跡の代表的なものをご紹介しましょう。
こちらは、鶴ヶ峰にある旭区役所の近く、帷子川を見下ろす高台にある「畠山重忠公碑」。
この碑は、重忠没後750年を迎えた昭和30年に、ここ鶴ヶ峰と、重忠のふるさとである埼玉県川本村(現・深谷市)の有志により建立されたそうです。
現在は川の流れが変わってしまったようですが、旭区役所の裏手あたりの「帷子川」河原には、切られた重忠の首を洗った井戸があったという伝説も。
またこの辺りは、鎌倉武士が鎧を頭上にあげて帷子川を越えたことから、「鎧の渡し」と呼ばれていました。
現在はきれいな緑道となって、人々の憩いの場所となっています。そのほかにも鶴ヶ峰周辺は、畠山重忠ゆかりの史跡がたくさん。
以下の記事にも詳しくご紹介していますので、ぜひご覧になってみてくださいね。
真っすぐな性格な上に、気はやさしくて力持ち。
端麗な容姿をしていて音楽や文芸にもすぐれていたと言われている、畠山重忠。
頼朝が、家臣の中でいちばん信頼していたという説もあるようです。
「鎌倉殿の13人」では、そんな畠山重忠を俳優の中川大志さんが演じます!
私はその一報を数年前に聞いてから、この大河をずっと楽しみにしてきました♪
ドラマを楽しみながら、相鉄沿線きってのヒーロー鎌倉武士、畠山重忠を地元みんなで盛り上げていきたいですね!
帷子川源流域「上川井町小川アメニティ」
帷子川の源流域があるのは、旭区のはじっこ、東京都町田市や緑区に近い、横浜若葉台と上川井地区周辺になります。
若葉台はもともと山地であった広大な土地に、自然環境をのこしたまま高層住宅地をつくった、「横浜の軽井沢」とも呼ばれている自然環境いっぱいの場所。
住宅地でありながら、帷子川の水源地にふさわしい地区であるともいえますね。
その源流域の小さな水の流れを散策道として整備したのが「上川井町小川アメニティ」。
相鉄線三ツ境駅北口からバスで約15分、最寄りのバス停はこちら、「若葉台南」です。
バス停の裏手の階段を下ってすぐ、雰囲気ある「小川アメニティ」の散策道が待っています♪
小川アメニティは、水路を活用した、全長約900メートルのせせらぎ。
相鉄線沿いを流れ、横浜港に注ぐ、あの存在感のある「帷子川」も、源流はこのような小さな流れの集まりとなっているんですね。
いまはキレイに整備されているのですが、以前は草木が茂る小さな川で、子どもたちがよくザリガニを釣りに出かけていましたよ。
小川アメニティ沿いは、里山のような雰囲気あるベンチや石が配置されており、帷子川の歴史に思いを馳せながら、のんびりと散策を楽しむのによいところです。
2月を迎えるころには、道沿いに紅梅をはじめとした梅が見事に花を咲かせますよ♪
途中にはこのような木のお堂もあり、昔の旅人気分で休憩することもできます♪
また通りの途中には、小さなほこらや竹林、田畑もあって、日本の原風景らしい景色を見ながら散策を楽しむことができますよ。
道沿いは、道路と並行する場所もありますので、車の往来には十分気を付けておさんぽを楽しんでくださいね♪
「旭区グリーンロード」とは?
お堂の少し先、介護施設の建物前の小さな木の階段を通って、道路沿いに出たら、帷子川水源まではもうすぐ。
この「旭区グリーンロード・帷子川ルート」の看板が見えてきたら、左側の階段を下ります。
調べてみると、「旭区グリーンロード」とは、横浜市と旭区が行っている、豊かな自然が楽しめる区の特色を生かし、遊歩道や公園などを緑でつないで散策を楽しもうという構想とのこと。
鶴ヶ峰付近から始まり、畠山重忠ゆかりの地などをめぐりながら帷子川に沿って歩く「帷子川ルート」は、ここ帷子川源流域が終点となっているそうです。
旭区グリーンロードは、このほかにも3ルートあるそうで、いつか全4ルートを制覇してみたいなあ!と、散策の楽しみがまた広がりました!
※詳細は、横浜市旭区のホームページ参照
いよいよ「帷子川水源」に到着!
看板の横の階段を降りると、このような案内板となにやら石に囲まれたまるい岩が見えてきました。
近づいて耳を澄ますと、しずかな里山の雰囲気の中、チョロチョロとキレイな水の音だけがひびいています。
案内板には「帷子川水源」の文字が!
これが、あの鎌倉時代の歴史をきざみ、今も相鉄沿線にそっておだやかに流れている「帷子川」の水源なんですね。
旭区の案内板には、帷子川の名前の由来と、治水の歴史がきざまれていました。
「かたびら」とは、私は勝手に、鎌倉武士の「帷子」(カタビラ)から来ていると思っていたんですが、実際はいろいろな説があるんですね。
案内板によると、
『昔、相鉄線の天王町一帯あたりは、一方が山で一方が平らな平地であったため、「片平」(カタヒラ)と呼ばれていて、それが転化してそこを流れる川を「カタビラガワ」と呼んでいた』
いう説が、有力のようですよ。
そして、いよいよ帷子川の水源とご対面!
やわらかな水が、やさしい勢いで、まるい岩の上からあふれ出しています。
周辺の静けさの中、この水源の水音だけがチョロチョロと響いており、なんだか幻想的な雰囲気。
つい、鎌倉時代に活躍した畠山重忠はじめ、鎌倉武士たちの姿に思いを馳せてしまいました。
こちらの水源は、じっさいの源水ではなく、水源の一部を誰もが対面できるように整備してあるものとのこと。
お子さんでも目の前で見ることができ、河川の学習になり、とても貴重な施設だなと思いました♪
帷子川水源からは、このようにせせらぎが始まり、小川アメニティへとつながっています。
そして、この小さな流れはやがて「帷子川」本流となり、相鉄線に沿って流れて、横浜港へ注いでいくんですね!
沿線の「帷子川」の様子はこちらの記事でも楽しめますので、ぜひご覧になってみてくださいね。
全長7・5㎞の「帷子川」天王町エリアで生き物探しをしてみよう!
せせらぎの上では、早咲きの紅梅が、人知れず美しく咲き始めていました♪
帷子川沿いは、梅や桜の景勝地でもあります。
今はひっそりと帷子川周辺に葬られている重忠や家族、その家来たち。
現代に生きる私たちと同じように、これからの春の花々の開花を、楽しみにしているかもしれませんね♪
帷子川水源
住所:神奈川県神奈川県横浜市旭区上川井町
アクセス:相鉄線三ツ境北口より神奈中バス約15分「若葉台南」下車徒歩約20分