海老名で世界レベルのクラシックを!『えびなクラシカル・コンサート#56 クァルテット・インダコ』

海老名で定期開催されているクラシック音楽の公演会「えびなクラシカルコンサート」をご存知ですか?

今回は2023年11月18日土曜日に開催された『えびなクラシカル・コンサート#56 クァルテット・インダコ』に行ってきました。

近所でこれほどのハイクオリティ公演を、しかも相場に対し安価なチケットで聴くことができるとはなんとも目玉だと思いました。後半は涙が止まらなくなってしまうほどでした。

その感動をお伝えさせていただきます。

「えびなクラシカル・コンサート#56」演目

2023年11月で56回目の開催を迎えるえびなクラシカル・コンサート。
今回の演目は大阪国際室内楽コンクール2023の第1部門で見事、優勝されたクァルテットのグランプリ・コンサート全国ツアーの一環です。

ご出演されるのは大阪国際室内楽コンクール2023クァルテットである、クァルテット・インダコ。
エレオノラ・マツノさん、イダ・ディ・ヴィータさん、ジャミアング・サンティさん、コジモ・カロヴァニさんの4人から構成される楽団「クァルテット・インダコ」の皆さんです。

今回のえびなクラシカル・コンサートではなんと、国際コンクール第1位の腕前を海老名で拝聴することができるというコンサートでした。

「えびなクラシカル・コンサート#56 クァルテット・インダコ」演目

「えびなクラシカル・コンサート#56 クァルテット・インダコ」の曲目は以下の通りです。

  • ヴァスクス:弦楽四重奏曲 第5番
  • ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第10番 Op.74「ハープ」
  • シューベルト:弦楽四重奏曲 第14番 D.810「死と乙女」

どれも美しかったのですが、私はとりわけシューベルトが素晴らしいと感じました。

帰宅後に会場でいただいた冊子の中に、クァルテット・インダコの皆さんのインタビューが掲載されており拝読したところ、クァルテット・インダコの皆さんにとってシューベルトの音楽はとても思い入れの深いものなのだそうです。

大阪室内楽コンクールのファイナル演奏で選曲したのもシューベルトだったとか。

インタビューには大いに納得をし、帰宅後も余韻で楽しませてもらいました。

クァルテット・インダコの4人だけの世界へ

クァルテット・インダコの皆さんがこの日、海老名の観客に見せてくれたのは彼らのコミュニケーションではないかと私は思っています。

演奏中だけではなく、ステージに立った瞬間から、クァルテットメンバーは一言も声を交わしません。
この曲を始めるよ、という合図は呼吸と目線で交わします。

しかし、聞いているうちにクァルテット・インダコの皆さんの会話で重要な要素となっているのは「お互いが生み出す音楽」ではないかと感じました。
呼吸よりも、目線よりも、お互いの楽器で生み出す音が「ことば」であって、その「ことば」で掛け合いをしているように見えたのです。
楽器を奏でながら、他のメンバーへ語りかけているように見える場面も多くありました。

忘れてはいけないのは、クァルテット・インダコの皆さんがグランプリコンサートを行うためにイタリアから来てくれたという点ではないかと思います。

劇場も練習のやり方も、文化や食事も何もかもイレギュラーな中で、きっとそれぞれの心情や演奏には毎回微妙な変化があったはずです。
それを無言のうちに掬い取って、音楽を「ことば」として対話しあっている姿に感動してしまいました。

日頃から音楽で繋がり、音楽で対話をしているまさにプロの四重奏楽団ならではのコミュニケーションではないでしょうか。

自分たちにしかわからない「ことば」を使って、4人だけの姿がどんどん濃くなっていく姿はとても印象的でした。
他のクラシックコンサートやクァルテットの演奏を聞いても、あの密度はなかなか体験できないものではないかと感じており、今回クァルテット・インダコの皆さんの演奏を聞くことができたことをほんとうに幸運に感じています。

豊富なアンコール公演

『えびなクラシカルコンサート#56 クァルテット・インダコ』ではアンコール演奏が3曲用意されており、最後に演奏していた曲はクァルテット・インダコメンバーのコジモ・カロヴァニさんが作曲された曲なのだと言います。

みんなで足裏でタップ音を生みながら弦楽器を演奏するたのしい音楽でした。とても気分が上がり、明るい気持ちとなって劇場を後にした観客が多かったのではないかと思います。

さらにプレゼントも用意されており、公演後にクァルテット・インダコの皆さんによるサイン会も開催されました。
私も4人全員にサインを書いていただき、少しずつお話をしました。
ほんとうに素敵な皆さんで、親切にしていただき、とてもいい思い出ができました。
クァルテット・インダコの皆さんのこれからの活躍も、応援させていただきます。またどこかで演奏を耳にすることができたら嬉しいなと思うほどの最高のコンサートでした。

えびなクラシカルコンサートの次回予告も張り出されていました。
国内外から素晴らしい音楽家を招待して開催されるえびなクラシカルコンサートを引き続きチェックしていきたいと思っています。

公演後にはPrima Cafeでお食事やお茶をするのもおすすめです。

えびなクラシカルコンサート#56 クァルテット・インダコ
開催会場:海老名市文化会館
住所:神奈川県海老名市めぐみ町6番1号
アクセス:相鉄本線、小田急小田原線「海老名駅」西口から徒歩約5分
開催日:2023年11月18日(土)
開催時間:13:30開場 14:00開演

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。